子ネコが人間を信頼している様子を見て
ふとこの絵本のことを思い出しました。
新美南吉の「手ぶくろを買いに」の話です。
子供たちにも聞かせたお話です。
子狐に毛糸の手袋を買ってやろうとする母狐ですが、
人間は恐いというトラウマがある母狐は
小狐の片方の手を人間の手に変えて
人間の町に手袋を買いに行かせるのです。
母狐が少しでも小狐に温かい思いをさせてやりたいというところまでは
人間と同じように母が子を思う気持ちは変わらない・・
雪の森の中での母子の狐の様子が
情景豊かに描かれていて温かい気持ちにさせられます。
ところがどうして子供を危険な目に遭わせてまで
子狐を人間の町に行かせるのか・・・この母狐は一体どうなの~?
などという疑問もわきます。
そして子狐が本当の狐の手を出してしまったのにも関わらず
人間から手袋を買うことが出来た子狐は、
「人間ってちっとも恐かないや。」とつぶやくのです。
それに対して母狐は「ほんとうに人間っていいものかしら。人間ってほんとうにいいものかしら。」とつぶやく・・・というところでこの話は終わっています。
なかなか意味が深い話だと思います。
今一度絵本を開くと
新美南吉が生涯をかけて追求したテーマ
『生存所属を異にするするものの魂の流通共鳴』
という解説がありました。
なるほど子ネコを飼って改めてこの絵本のテーマを再認識した訳です。
それにしても黒井健さんの絵もいいですね~
絵本ハウスが近くにあります。
今度ぜひ訪れてみたいものです。
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